■ステロイド性抗炎症剤

1.作用機序
第1期から第3期までのすべての炎症反応を抑制

アラキドン酸代謝抑制

サイトカイン産生抑制→免疫抑制作用

血管透過性亢進抑制

過剰な肉芽組織増殖抑制

リソソーム膜安定化


2.副作用
  1. 脳下垂体前葉からの副腎皮質刺激ホルモンの分泌抑制と副腎皮質機能の低下

  2. 細胞性免疫および体液性免疫が抑制され、感染に対する抵抗力が減退し、感染症の増悪が起こる。

  3. 糖尿病(肝グリコーゲン合成の亢進と末梢での糖利用減少による血糖値上昇)

  4. 電解質代謝異常による浮腫および高血圧


  5. 脂質代謝促進と体の脂肪分布変化による満月様顔貌(ムーンフェイス)
  6. 骨そしょう症(骨芽細胞および骨格筋におけるタンパク質分解亢進とタンパク合成抑制)

  7. 消化性潰瘍(胃液分泌促進)

  8. 中枢神経に作用して、精神高揚、しかし多量により抑うつ状態から精神機能異常を示す

  9. 多毛、発汗以上、ざそう



天然副腎皮質ホルモン コルチゾン
ヒドロコルチゾン
ステロイド骨格(シクロペンタノペルヒドロフェナントレン環)を持つ。

コルチゾンは経口投与により、消化管から容易に吸収されて肝臓でヒドロコルチゾンに変化して作用を現す。
合成副腎皮質ホルモン プレドニゾロン
糖質コルチコイド作用を強め、電解質作用を著しく弱めたもの。

臨床上もっとも良く用いられている。

プレドニゾンは非活性であるが、肝で代謝されてプレドニゾロンとなり活性化。

抗炎症作用はヒドロコルチゾンの4〜5倍強く、持続性がある。

トリアムシノロン
トリアムシノロンアセトニド
ヒドロコルチゾンの5倍程度強い抗炎症作用を持つ。
デキサメタゾン、ベタメタゾン
デキサメタゾンは、ヒドロコルチゾンの35倍強い抗炎症作用を持つ。

ベタメタゾンはデキサメタゾンと同程度の抗炎症作用、生物学的半減期が34〜54時間という長い作用時間を持つ。



*ステロイド剤連用後に服用を中止すると・・・
リバウンド(ステロイド剤を連用後に服用を中止すると、かえって症状が悪化する。)や急性副腎皮質機能不全を起きたし、発熱、脱力感およびショックなどの症状(退薬症候群)を起こすことがある。    →漸減法(徐々に投与量を減少)







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