■局所麻酔薬
1.局所麻酔の種類
表面麻酔
粘膜・創面に塗布。
浸潤麻酔
皮下注射で局所に浸潤させる。
伝達麻酔
神経内またはその周囲に注射して、注射部位よりも遠位に麻酔する。
硬膜外麻酔
脊椎硬膜外腔に注射。癌性疼痛など。
脊椎麻酔
脊椎のくも膜下腔に注射。腹部や下肢の手術など。
2.局所麻酔薬の種類
\ |
プロカイン |
リドカイン |
メピバカイン |
テトラカイン |
ブピバカイン |
ジブカイン |
効力比 |
1 |
2 |
2 |
8 |
8 |
15 |
使用濃度(%) |
1〜2 |
0.5〜2 |
0.5〜2 |
0.5 |
0.25〜0.5 |
0.3 |
作用時間 |
短い |
中間 |
中間 |
長い |
長い |
長い |
極量(mg) |
100 |
500 |
500 |
100 |
100 |
40 |
代謝部位 |
血清 |
肝 |
肝 |
血清 |
肝 |
肝 |
商品名 |
ノボカイン |
キシロカイン |
カルボカイン |
テトカイン |
マーカイン |
ベルカミン |
*アミド型とエステル型
局所麻酔薬にはアミド型とエステル型の二つのタイプがある。アレルギーはエステル型に多い。
*血管収縮薬
局所の血管を収縮させることによって良好な局所麻酔効果・安全性・手術のしやすさを目的としてキシロカインには血管収縮薬(エピネフリン)が添加されている。
麻酔作用の増強・作用時間の延長・出血の減少などの効果がある。
指、趾、陰茎には禁忌(血行障害により組織の壊死を起こすことがある。)
3.局所麻酔薬の全身作用
投与量が大量であったり、血管内に注入されると血中濃度が増加し、全身症状が現れる。
中枢神経への作用(局所麻酔薬は容易に血液脳関門を通過して、脳に到達する。)
中毒
初期症状)
多弁・興奮などの中枢刺激症状
ろれつが回らない
表在性の顔面の筋肉と四肢の指先の振せん
眠気・不安感・頭のしびれや頭重感・めまい・耳鳴り・悪寒
視野の狭窄や焦点が合いにくいなどの視力障害
失見当識
軽度の脈拍と呼吸数の増加・血圧の上昇など
↓
強直性または間代性の痙攣
意識消失
チアノーゼ
(血中濃度5〜10μg/ml)
↓
呼吸停止
抗不整脈作用
リドカインとプロカインは抗不整脈作用を有する。リドカインの抗不整脈域は1.5〜5μg/mlであり、心室性不整脈に対する抗不整脈薬として多用されている。
抗痙攣作用
リドカインは0.5〜4μg/mlでは抗痙攣作用を示すと言われている。
■中枢神経興奮薬
ストリキニン
Rensaw細胞(脊髄でαー運動神経に抑制をかけている抑制性神経細胞)とαー運動神経体のシナプスを遮断→抑制の抑制=興奮
抑制性伝達物質であるグリシンと競合的に拮抗すると考えられている。
ピクロトキシン
抑制性伝達物質であるGABAの受容体のピクロトキシン結合部位に結合し、GABAの効果を弱める。
ペンチレンテトラゾール
GABA受容体のピクロトキシン結合部位に結合し、GABAの効果を弱める。
てんかんの診断に際して、脳波の賦活などに用いられる。
メチルフェニデート
運動より精神機能に対して大きな効果を持つ(おだやかな中枢神経興奮作用)
多動症候ならびにナルコプレシーなどの治療に用いられる。
アンフェタミン(覚醒剤)
強い中枢神経興奮作用と末梢でのアドレナリンαおよびβ作用がある。
精神に与える影響として、覚醒・疲労感の減弱・気分の高揚・率先性や自信や集中力の増加などがある。
食欲不振、不眠、衰弱、精神病的性格者、自殺や殺人の既往のある人などには禁忌。
精神的依存がしばしばみられ、濫用される危険が高い。
ナルコプレシーなどの治療には耐性が生じにくい。
メタンフェタミン(覚醒剤)
アンフェタミン類似作用を示すが、末梢作用に比べ中枢作用が大きい。
アンフェタミンは日本では製造されていないので、代わりに用いられる。
食欲不振、不眠、衰弱、精神病的性格者、自殺や殺人の既往のある人などには禁忌。
精神的依存がしばしばみられ、濫用される危険が高い。
ナルコプレシーなどの治療には耐性が生じにくい。
メタンフェタミン(覚醒剤)
アンフェタミン類似作用を示すが、末梢作用に比べ中枢作用が大きい。
アンフェタミンは日本では製造されていないので、代わりに用いられる。
食欲不振、不眠、衰弱、精神病的性格者、自殺や殺人の既往のある人などには禁忌。
キサンチン誘導体→気管支喘息治療薬
カフェイン・テオフィリン・テオブロミンなど。お茶、ココア、チョコレート、コーヒー、コーラなどに含まれる。
中枢神経興奮作用:カフェイン<テオフィリン。テオブロミンにはない。
痙攣発現作用:カフェイン<テオフィリン。
その他の作用として、呼吸中枢刺激、悪心・嘔吐作用。
その他の作用として、呼吸中枢刺激、悪心・嘔吐作用。
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