筋弛緩薬

■筋弛緩薬の適応

1. 反射性筋収縮に由来する病態

2. 筋の異常収縮

3. 筋の痙攣を来す疾患

■筋弛緩薬の分類

末梢性筋弛緩薬 非脱分極性遮断薬 アセチルコリン受容体に競合的に拮抗 d-ツボクラリン・パンクロニウム
*ネオスチグミンによって拮抗される
脱分極性筋遮断薬 アセチルコリン受容体に結合。作用が持続し、神経伝達を阻害 サクシニルコリン
骨格筋細胞の収縮機構に直接作用する。 ダントロレンナトリウム
中枢性筋弛緩薬 中枢神経、主として脊髄の介在ニューロンならびに脳幹の神経伝達に対する抑制作用によって、骨格筋の弛緩を起こす。 プロパンジオン誘導体(メフェネシン・メプロバメトールなど)・バクロフェン(GABA受容体アゴニスト)・ベンゾジアゼピン誘導体(ジアゼパムなど)


抗パーキンソン薬

■パーキンソン病

振せん麻痺
通常は,基底神経節の変性性,血管性,炎症性変化により起こる神経伝達物質ドパミンの欠乏を原因とする神経の症候群。

症状
1. 手指振戦

2. 筋固縮

3. 寡動

4. 前傾姿勢

5. 寡動

6. パーキンソン顔貌(仮面様顔貌)

7. その他(多汗・流涎・排尿障害・精神症状)


*パーキンソン症候群:クロルプロマジンなどの抗精神病薬の副作用として、パーキンソン病様症状が出現。

■抗パーキンソン病薬

レボドパ 血液脳関門を通過して脳内に入り、ドパミンに生合成される。

経口投与したレボドパの95%は末梢組織のAADC(芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素)によりドパミンに変わり、脳循環に入るレボドパは1%以下→AADC(カルビドバ・ベンセラジド)阻害薬を併用。
・錐体外路症状の改善、特に筋硬直・無動などに有効。

・姿勢、歩行、強調運動、表情、書字、呼吸などが改善され、精神的にも気分が高揚する。

・副作用として、吐き気・食思不振、起立性低血圧。長期汗投与によってジスキネジア・精神障害が発現することあり。
ドロキシドパ 経口投与により脳内に移行、AACDによりノルエピネフリンに生合成される。 ・晩期パーキンソン病のすくみ現象に著効。
アマンタジン 抗ウィルス薬。

線条体ドパミン神経週末からのドパミン遊離促進作用。
・レボドパよりも効力は弱いが副作用も少ない。

・ジスキネジアは出現しにくい。
ブモクリプチン ドパミン受容体アゴニスト。 ・固縮。無動など錐体外路症状に対し、高い改善効果有り。
デプレニール MAOB阻害薬 ・レボドパとの併用で線条体で合成されたドパミンの分解を防ぎ、作用を増強する。

・主として晩期パーキンソン症状に用いられる。
抗コリン薬(トリフェキシフェニジル・ビペデリン) 末梢性副交感神経遮断作用が比較的弱いもの。 ・振戦・筋強直などの錐体外路症状に有効。

・薬物性パーキンソン症候群に唯一の治療薬。








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